auが2,480円でデータ20GBのプラン povo を発表しましたね。5分通話無料をオプション500円にして、最安値でインパクトを与える作戦のようです。驚いたのは、トッピングという牛丼のようなシステムを導入したこと。5分通話無料のトッピングは予想できましたが、200円で24時間使い放題のトッピングを用意したことは予想外でした。しかし、詳細にスペックを見てみると大丈夫かauと思い始めてきました。
データ追加1GB 500円、24時間使い放題 200円
povoのスペックを眺めていて、おやっと疑問に思ったのが、データ追加が1GB 500円に対して、24時間使い放題が200円ということです。1GB 500円は高いなーと思いますし、24時間使い放題200円は安い気がしました。この値段が妥当なのかモヤモヤしていましたが、この両者の値段を入れ替えたらスッキリするような気がしましたので検証してみたいと思います。
モデルケースを考えてみたいと思います。
ケース1: 月に25GBを使用
月に25GBを使用する場合、5GB足りませんので、データ追加の場合は5回2,500円必要です。対して、24時間使い放題の場合は、24日以降データ容量が足りませんので、6回の1,200円必要です。24時間使い放題のほうが安い結果となりました。また、5GB足りない程度であればデータ追加などせず、超過時の最大1Mbpsで利用すれば良いのではないかとも思います。
ケース2: 月に30GBを使用
月に30GBを使用するとした場合、平均1日に1GBを使用します。すると月30日とした場合、データ追加は10回の5,000円分必要です。対して、24時間使い放題の場合は10回の2000円が必要になり、24時間使い放題が安いです。
ケース3: 月に60GBを使用
この場合、データ追加は40回の20,000円が必要です。24時間使い放題の場合は20回の4,000円が必要になります。データ追加の場合は話になりません。24時間使い放題の方は基本使用料と合わせて2,480+4,000=6,480円で、使い放題5G/4G 6,580円と同水準になります。
しかし、冷静に考えると毎日2GBもコンスタントに使うケースがあるか疑問に感じます。大容量通信を考えたときに思い浮かぶのはOS/アプリのアップデート、音楽/動画のダウンロードです。他に音楽/動画のストリーミングがありますが、これはひとまず考えないことにして、ダウンロード系はまとめて行えば、24時間使い放題の回数を少なくすることが出来ます。するともっと安くすることが出来ます。
1GB 500円の存在価値は?
以上モデルケースから1GB 500円のデータ追加の使いみちは殆どないことが分かります。これが両者の値段が入れ替わっていたら使い分けが可能だったかもしれません。1GB 200円か、24時間使い放題500円かとなったときに、2.5GB以上1日に使うかと考えることになります。
ケース3、月に60GB使う場合で考察しましたが、povoで且つ20日分も24時間使い放題にしてやっと、使い放題5G/4Gと同水準になります。使い放題5G/4Gは割引プランがあるとはいえ、povo+足りない時は24時間使い放題200円を追加するというのが多くの人にとっての解であることは間違いないと思います。
24時間使い放題は考えれば考えるほど分からなくなる
1GB 500円という値段はahamoやSoftBank on LINEと同額です。それに対して、24時間使い放題200円はauが初めて出してきた値段です。auは何を根拠に200円を決めたのでしょうか?
仮に24時間使い放題を毎日追加しても6,000円です。基本使用料2,480円を加味しても、使い放題5G/4G より多いとは言え大差ないです。通常この手のサブスクライブ系プランはダブルスコアぐらいついてもおかしくないです。PS Plusは1ヶ月850円、12ヶ月5143円で、1ヶ月を12回買うと10,200円とほぼ倍になります。
今まで他社と同等のプランをコピーのようにリリースし続けてきたため、値段付けの確たる指標が持てず、今回の先例がない24時間使い放題の値段を決めるにあたっては、auはデータ使用量を甘く見積もってしまったのではないかと言うのが持論です。それは間違いで、2,980円20GBキャリアプラン競争において主導権を握るべく戦略的な価格を設定したとすれば、疑ってすみませんでしたです。いずれにせよ今回のpovoの発表は多くの人にとってメリットがありそうで、個人的にも嬉しい発表でした。