昨年末発表されたdocomoのahamoに続くように各社2,980円で20GBのプランを出しました。また楽天は昨年春から2,980円で使い放題プランを提供しています。楽天は2,980円は楽天から始まったと声高に言いたいところでしょうが、最近は3キャリアの20GBプランの方に注目が集まっている気がします。使い放題で言えば、3キャリアの使い放題プランも2000円程値下げされ身近になってきました。このようにギガ単価が減ってきているので、今後消費者はより多くのギガを消費していくようになるんだろうなと思うのですが、問題なのはギガは有限だということです。消費者の増えるギガ要求に基地局は耐えられるのか心配になってきたので軽く調査してみたいと思います。専門家じゃないので間違いがあると思いますが、そこはあしからず。
電波は有限
4Gや5Gなどの携帯通信の電波は規格により最大通信速度が決められています。また、電波は独り占めできず複数人で共有してく使うもなので実際の通信速度は理論値からだいぶ小さくなります。これが光インターネットだと専有できるので割と理論値に近い値が出ることもあります。携帯電話キャリアは利用者の多い地域には基地局の密度を上げて設置し、反面利用者の少ない地域には密度を下げて設置することで投資対効果を上げるべく工夫しています。
基地局1つの能力は?
ホットなところで楽天の基地局を調べてみます。楽天の基地局は1.7GHz帯のBand3という周波数帯域を20MHz使っており、速度の最大理論値は400Mbpsだそうです。ただし、端末側の無線モジュールも高性能ではないとこの値は出ないそうです。Rakuten Handだと4×4 MIMOと256QAM対応のフルスペックで400Mbpsですが、AQUOS Sense3 liteだと256QAMに対応しているものの4×4 MIMOに対応していないため最大200Mbpsだそうです。どっちも対応していないと150Mbpsまで落ちるそうです。今現在楽天が公式にサポートしているモバイルWiFiはどれも150Mbpsみたいです。
話がややこしくなるので400Mbpsで通信できたと仮定して、400Mbpsは50MB/sなので基地局1つは1日あたり、理論上4,320,000MB=約4,000GB通信できる計算になります。では基地局と加入者の関係はどうでしょうか?楽天の昨年12月の発表によると12月8日の時点で基地局数は1万局に達したようです。また、申込件数は11月時点で179万件だそうです。単純計算で1つの基地局に179人が接続していることになります。4,000GB / 179 = 約22GB/日 となります。理論上1人あたり22GB/日が通信の上限ということになります。楽天が使い放題とはいいつつも1日あたり10GBを超えると通信速度を3Mbpsに落とすのは、なかなかうまいバランスだなと思いました。そもそも基地局は400Mbpsで常時通信できるわけではなく、端末の性能や電波の通りやすさやとか干渉なんやらで恐らく実測値は半分ぐらいなんじゃないでしょうか。楽天は使い放題(1日10GB)を維持するためにも、エリアを拡大するためにも基地局の増設は必要みたいですね。
楽天には頑張ってほしい
ちょっと前までの大手3キャリアのプランは家族割、光インターネット割、期間縛り割り、期間限定の割引に、スタート割(これも期間限定)など、とにかくプランが分かりにくいし、クリア難易度の高い割引後の値段ばかりが独り歩きして、消費者を欺いているなという印象を持っていました。そんな中、楽天の2,980円、通話もネットもし放題というシンプルなプランは分かりやすく好印象でした。
楽天の今の弱点はエリアが狭いことなので、頑張ってエリアを広げて戦っていってほしいです。政府も既存3キャリアからプラチナバンドを20Mhz程没収し、楽天に割り当てるぐらいドラスティックなことをして楽天を助けてやってほしいものです。