PS5 Pro同等の自作PCを考える。無料OSを添えて

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PS 5 Proと同等スペックの自作PCを12万円で用意できるか

PS 5 Proの価格は12万と高価ですが、同等スペックのPCを12万で用意することはできないのでPS 5 Proはお買い得だと世間で言われていると思いますが、今回12万で同等スペックのPCを構成することが可能ではないかと思いBlogで考察してみました。PS 5 Proのスペックを丁寧に紐解いていき、コスパの良いパーツを選べば可能ではないかと考えます。

今回はPS 5 Proと同じようにTVに繋いで使うことを想定し、4K 120Hz対応のTVをターゲットとして選んでいきます。PCモニタは 240Hz以上の高性能なモニタが有りますが、120Hzを上限とすることでリーズナブルな価格で選ぶことができます。

PS 5 Proのスペックと自作PCパーツ

PS 5 Proチョイスしたパーツパーツの値段
CPUZen 2 8コアRyzen 5 560017,180円
GPURDNA based 16.7 FlopsRadeon RX 7700 XT60,800円
メモリ16GBDDR4 PC4-25600 8GB 2枚4,580円
SSD2 TBSandisk SSD PLUS 2TB14,520円
電源390WThermaltake Smart Pro 600W6,700円
マザーボードMSI B550M PRO-VDH WIFI9,227円
ケースThermaltake Versa H173,700円
OSBazzite0円
値段119,980円116,707円

※価格はkakaku.com調べ(2024-11-17時点)

合計116,707円とPS5 Proよりも若干安く構成できました。それでいてトータル性能は上回っていると思います。

CPU

PS 5とPS 5 ProのCPUはZen2世代の8コアCPUです。これは自作PCパーツ的にはRyzen 7 PRO 4750Gが一番近いですが、現在売られていませんし売っていても買ってはだめです。コスパが悪いです。

今回チョイスしたCPUはRyzen 5 5600で、これは6コアですが、8コアの4750Gよりゲームで重要なシングルスレッド性能はもちろん、全コア使用するマルチスレッド性能においても上です。

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Zen3はZen2に比較してゲームパフォーマンスが大幅に上昇したことで登場時は自作PC界隈は沸きました。ついにゲーム性能についてもIntelよりもAMDが上回まったという評価でエポックメイキングなCPUです。

現在のAMDの最新アーキテクチャはZen5ですが、120HzをターゲットとするのではあればZen3でも十分戦える内容だと思います。

どうしてもコア数もPS5と同等にしたいということであれば8コアのRyzen 7 5700Xもコスパが良くていいかと思いますが、こちらはCPUクーラーを別途用意する必要が有りますのでその分追加でコストが発生します。またゲームに強いRyzen 7 5700X3DというCPUもありますが、240Hzを目指すなら有りかもしれませんが、そこまでお金を出すなら次世代のZen4のRyzen 5 7600に行ったほうが幸せになれると思います。その場合はマザーボードもAM5対応のものにする必要が有ります。

Ryzen 5000シリーズは多様なラインナップが有りますが、注意しないといけないのはL3キャッシュが32MB以上あるものを選ぶことです。16MBの物が安い値段でありますが、ゲーム用途ではかなり差がでます。また16MBのものはGPUとの接続に使うPCIeの世代もGen3と旧世代になり、Gen4に比べてGPUのパフォーマンスを引き出せません。

GPU

ゲーミングPCにおいて最重要のパーツがGPUです。自作PCではNVIDIAのGeforceシリーズの方がAMDのRadeonシリーズより人気が有ります。ですが純粋にゲーム用途ではRadeonの方がコスパがいいですし、PS4やPS5もRadeonベースなのと、後述のOSのBazziteがRadeonの方が相性が良いという点も有りますのでRadeonで選んでいきます。

PS5 ProのGPUは色々憶測が有りますがRDNA2ベースにRDNA4のレイトレーシング機能を追加したというのがネットの大方の予想です。RDNA4ベースのRadeonはまた発売されていませんので、RDNA2か3から選ぶ必要が有ります。RDNA2で一番近いスペックはRadeon RX 6800です。根拠はPS5 Pro 16.7 TFlopsの性能に対して16.17TFlopsと近いからです。ですが既に製造中止の製品ですので今から選ぶことはないかなと思います。そこでRDNA3のRadeon 7700 XTを今回は選びました。こちらは35.17 TFLOPSと数字だけ見るとかなり高性能ですが、実際のゲームではピークパフォーマンスが出る場面は少なく、RDNA2世代と比較するには丁度半分程度と考えるといいそうです。なので17.6 TFlops程度と考えます。俗にうDual Issueのことで、現状のドライバではDual Issueをうまく使いこなせてないようですが、今後最適化が進んで性能が向上する余地が有ります。

GPUで重要なのは上述の演算能力ともう1つメモリがあります。Radeon 7700 XTはメモリ容量12GBありますので8GBの製品に比べて余裕が有ります。またメモリは容量だけじゃなくて帯域も重要ですが、PS 5 Proのメモリ帯域は576 GB/sと言われています。対してRadeon 7700 XTは432 GB/sと一見劣っているように見えますが、7700 XTにはInfinity Cache 48 MBが搭載されており、キャッシュヒット率は解像度にもよりますが、30〜60%と言われており、その分メモリアクセスを減らせるので実行帯域はかなり上昇するそうです。ですのでレイトレーシングを除いた実際のゲーム性能ではRadeon 7700 XTの方が高性能だと予測できます。

「Radeon RX 6800」の秘密兵器はCPU由来の「Infinity Cache」だ
AMDのRDNA 2アーキテクチャを採用した新世代GPU「Radeon RX 6000」シリーズについての情報が全面的に解禁となった。その性能的な解析については同時掲載のHothotレビューを参照されたいが、ここではRadeon RX 60...

2024年11月時点では7700 XTは6万円で、上位の7800 XTは7万円から購入できますので、お財布に余裕がある方は7800 XTを選ぶのも有りかと思います。また、ノーマルPS 5程度の性能で良い方は7600が買いやすいです。

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性能を上げるチップスとしてBIOSでResizable Barを有効にしてください。最近のマザーはデフォルトで有効になっていることが多いですが、B550は過渡期だったのでデフォルトでオフの可能性が有ります。

メモリ

メモリは定番のDDR4 PC4-25600(DDR4-3200)の8GB2枚で16GBとします。

PS 5 ProのメモリはメインメモリとGPUメモリが共用で全体で16GBですが、今回のPC構成ではメインメモリ16GBとGPUメモリ12GB(Radeon RX 7700 XT)の併せて28GBとかなり上回ります。メインメモリを8GBとして予算を削減することもできますが、メモリは今十分安いですし今後ゲームのメモリ使用量が増加することを予測して16GBが適切だと思います。

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SSD

M.2 NVME規格のSSDを選びます。PS 5 ProのSSDは恐らくPCIe Gen4 世代の容量2TBだと思いますが、Gen3の安価のもので大丈夫だと思います。PCゲームにおいてSSDの指定があるものは有りますが、Gen4まで指定しているものは未だありません。予算が許せばGen4世代のものを選ぶといいかと思います。また、遊ぶゲームがそこまで多くない場合は1TBのものを選ぶことでコストを抑えることができます。ゲームが増えていき容量が足りなくなったらSSDを追加すればいいかと思います。今回使用するマザーボードはM.2スロットが2つ有ります。

電源

Ryzen 5 5600のTDPは65WでRadeon RX 7700 XTのTDPは245Wです。合計300W強ですが、電源は余裕を持って600Wの物をチョイスしました。電源は50%出力のときが一番変換効率が良いです。予算が厳しければ500Wの物でも動くと思います。

マザーボード

マザーボードはCPUが対応しているものを選びます。Ryzen 5 5600の場合はAM4プラットフォームです。ゲーム用ですのでMicro ATXサイズの安価なもので十分です。リビングのTVの前に設置することを考えると有線LANがなくWi-Fiを使用したくなる可能性と、Bluetooth対応のコントローラーを使用する可能性を考慮してWi−Fi機能付きのマザーボードを選びました。PCIe Gen4を使えてかつ価格を抑えたいので今回はB550チップセット搭載のものから選びます。

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ケース

ケースはMicroATX対応の中から選びます。ATX対応のケースにもMicroATXのマザーは収まりますが、当然MicroATXケースのほうがコンパクトになります。今回は価格重視で選びました。自身の好みに応じて選んでください。

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OS

実は今回の構成で肝はこのOSになります。普通に考えるとWindows 11を選ぶことになりますが、1万5千円程度かかってしまいます。ゲーム用のマシンには高いなと感じるところです。

ここで通常のゲーミングPCのソフトウェアを考えてみると、Windows上でSteamというソフトウェアを動かす方が大勢だと思います。SteamはPlayStationで言うPS Storeみたいなもので、ゲームの購入、管理、ダウンロードができ、またゲームランチャーの性質を持っています。そしてこのSteamは実はWindows上だけでなくLinux上でも動作させることができます。LinuxでSteamを動かすにはSteamをダウンロードしてインストールすればいいのですが、便利なことに最近はSteamを予め組み込んだLinuxを配布しているサイトがいくつかあります。Bazzite, ChimeraOS, Nobaraなどが代表的なところかと思います。私はBazziteを試してみましたが、インストールもWindowsと同様に簡単で、インストール完了後起動するとSteamが自動で立ち上がってゲームコントローラーだけで操作でき、PlayStationやXboxと変わらない操作性に驚きました。

そこで今回はBazziteをインストールしてOS代を無料にすることにします。ただしデメリットがないわけではなくてSteamのすべてのゲームが動くわけではないです。Proton DBというサイトに互換性情報があるので気になるゲームの情報を調べてみてください。

https://www.protondb.com

Bazziteでゲームは快適に動くのか

FINAL FANTASY VII REMAKE INTERGRADE で遊んでみました。手元にあった機材の関係でこの記事で考察したスペックとは異なりますが、Bazziteで快適に遊べることの紹介になればいいかと思います。

手持ち機材
CPURyzen 7 5700G 8コア
GPURadeon RX 6600
メモリ64GB DDR4 PC4-25600 (PC3200)
SSDM.2 NVMe 1 TB
電源600W
マザーボードB450 MicroATX
ケースATXケース
OSBazzite
コントローラーXbox 360 Controller

CPUはRyzen 5 5600に比べてコア数が2つ多いので5700Gの方が強そうな気もしますが、シングルスレッド性能が5600の方が高いので、5600の方がゲームに向いていると思います。ただそこまで差はないと思います。

GPUのRadeon RX 6600は明確にRX 7700 XTに比べて劣ってます。60%ぐらいの性能じゃないでしょうか。対RX 7600だと80%ぐらいの性能になるかと思います。

メモリは64GBと多いですが、多くても余らすだけで性能向上には結びつかないのであまり意味がないです。昨今は16GBあれば困るシーンはないと思います。メモリは今安いので将来性も考えて32GB載せるのもありだと思います。

SSDは余り物の1TBでNVMe PCIe Gen3の安物ですが、ロードで待たされることもなく快適です。

マザーボードは世代が古く、これと言って特徴がない無難なマザーボードです。ゲーミング用のマザーボードでなくてもゲームは快適に動作します。欲を言うとB550のPCIe Gen4が欲しいところです。

コントローラーは家に転がっていたXbox 360コントローラーを使用しました。古いですがちゃんと動作します。PCゲームに接続するならXbox用が互換性が高くていいと思います。今なら以下の製品が良いんじゃないんでしょうか。

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4K HDR、テクスチャ高、シャドウ高 で60FPS出る

Bazziteでゲームを起動したら、SteamDeckと認識されるためか解像度が1280×720になってますので、設定から使用しているTVの解像度を設定します。今回使用するGPUがRX 6600と少し非力なのでFull HDにしてFPSを稼ごうと思いましたが、その前に最高設定でどれくらい出るか見極めてからにしようと4KでHDRオン、テクスチャ解像度 高、シャドウ解像度 高、フレームレート120fpsと現状考えられる高スペック仕様の設定にしてゲームを起動してみました。

するとなんと60fps前後で動くではないですか!ビックリしました。PS5版では4Kの高解像度を重視した「グラフィックスモード」と60fpsによるスムーズな動作を重視した「パフォーマンスモード」が選択できるみたいですが、今回試した設定はグラフィックスモード寄りの設定だと思いますので、それで60fps前後出てるということはRX 6600でも素のPS5を上回っていることを意味しているのかもしれません。

SteamはCPUやGPUの使用率をオーバーレイで表示できるのでその部分を拡大してみました。

GPUは100%近く使用してますが、CPUは結構遊んでいることがわかります。クロックも最大クロックまで上がってません。また、VRAMが7.7GBとRX 6600の8GBをギリ超えないぐらいで収まってます。ゲームによってはもう少し余裕があると安心かもしれません、あるいはテクスチャ解像度を下げれば精細さは少し失われるかもですが、VRAM使用量を抑えられます。RAMは5.3GBと使用量が少ないです。やはり16GB積んでれば全然足りそうです。HDRが有効になっていることもオーバーレイからわかります。実際画面は明暗差がくっきりしており非常にきれいです。また、Bazziteの場合はVRR(可変リフレッシュレート)も使用でき、フレームレートが下がってもティアリングやスタッタリングが発生せずにストレスなく遊べました。

Bazziteかなり使える印象を持ちました。終始コントローラーで操作できるのでゲーム機と違わない操作性ですし、気になるパフォーマンスも良好です。一味違うゲーム体験をしてみたい方はオススメです。

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