Radeon RX 9070 XT を Bazzite で使用する

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Radeon RX 9070 XTは2025年3月に発売が開始され、当初は13万円くらいしましたが、半年を過ぎたあたりから10万円を切る価格でも出回り始めましたので、私も入手しました。

早速ゲームマシンに組み込んで、Bazzite での使用感を確かめたいと思います。

普通に動く

事前に、Bazziteのシステムソフトウェアを更新していたので、RX 7800 XTから交換するだけで普通に起動しました。

Bazziteのシステムソフトウェアを更新するためのポイントは、ゲームモードからデスクトップモードに変更してメニューからシステムソフトウェアアップデートを選ぶだけです。デスクトップモードになるとコントローラーで操作できないのでマウスが必要になります。

システムソフトウェアの更新はゲームの描画不具合が治ったりするので、ハードウェアの交換のときだけでなくて、定期的にしたいものです。だいたい1週間に1回程度の頻度で更新がリリースされているようです。

パフォーマンス

Ryzen 7 7700とDDR5-5600 32GBメモリの組み合わせで、Radeon RX 7800 XTから大体1.3倍〜1.5倍程度パフォーマンスが良くなっているように感じます。

FF7 Remakeは4K 120HzのTVに映したときに結構な頻度で120FPS表示を維持してくれます。オブジェクトが多いときは120FPSを維持できませんがそれでも100FPSはほとんど下回らないので快適です。

モンスターハンターワイルズのベンチだと4K HDR、高設定、フレーム生成なしで平均フレームレートが91FPS程度でした。

Cyberpunk 2077は4K HDR レイトレーシング中設定で100FPS程度でした。レイトレーシング設定を上げて描画クオリティを上げたいところですが、フレームレートが下がるので悩みどころです。

熱い

RX 9070 XTの標準TDPは304Wとなっており、実際ゲーム中のオーバーレイでも300W程度を消費していることを確認できます。またコンセントでの消費電力測定でも480W程度を消費しており、結構電力食いです。

ただ単に電力食うだけならいいのですが、食った電力はもれなく熱として変換されますので厄介です。私が使用しているケース Thermaltake の Versa H17ですが、ケースファンを吸気2個、排気2個つけてもゲームを5分もすれば全開でファンが回り始めてとてもゲームに集中できません。

そこでケースファンを12cmから14cmと大型なものに変えたりとか、CPUグリスを熱伝導性の高いものに変えたりとか冷える工夫を色々していたのですが全然改善しません。

Steamのクイックアクセスメニュー(XboxボタンとAボタンを押すと出てくるメニュー)にはTDPを指定できる設定項目がありますが、下げても反映されません。どうもこの項目はディスクリートGPUには効かないようです。困りました。。

Steamのクイックアクセスメニューにはフレームレート上限を指定する設定項目があるので、120FPS出てるFF7 Remakeではここを100Hzとかに変更すると結果的にGPU使用率が下がって消費電力が大幅に下がります。幅はありますが200W程度になります。しかし、このフレームレートはゲームごとに状況が異なるので、ゲームを変えるたびに調整が必要になり面倒です。またそもそもフレームレートはシーンによって変動するので固定のフレームレート制限では消費電力削減の効果がいまいちです。

RX 9070 XTを売って、TDPが220WのRX 9070を買い直そうかと思いましたが、そうすると手出しが結構必要で困りました。

TDP制限ができた

結果的に、Linuxのsysfsパラーメータで制御することでTDPを抑制することにしました。

Bazziteのデスクトップモードでターミナルを開き以下ファイルを作成します。

/etc/udev/rules.d/30-amdgpu-low-power.rules

内容は以下です。

ACTION=="add", SUBSYSTEM=="drm", DRIVERS=="amdgpu", ATTR{device/hwmon/hwmon1/power1_cap}="220000000"

※ hwmon1 や power1_cap などの数字の部分はお使いの環境によって変わります。

TDPを220Wに制限しています。220WはRX 9070のTDPと同じですが、RX 9070 XTのほうがコンピュートユニットが多いので、性能はRX 9070 XTの方が上なはずです。コンピュートユニットは数に比例して消費電力が上がるのに対して、クロックを上げると対数的に消費電力が増えるからです。

TDP制限をするとSteamのオーバーレイでもGPUが220W程度で動いていることが確認できますし、コンセントの消費電力測定でも480Wから380W程度に改善しており、TDP制限が有効に働いていることを確認できます。ゲームをしてもファンが全開でも回ることもなくなり快適になりました。

気になるパフォーマンス低下ですが、モンスターハンターワイルズで91FPSから86FPSで5%の低下、Cyberpunk 2077は100FPSから92FPSで8%の低下に留まっています。これでコンセント読みで100W節約できてますのでコスパのいいチューニングではないでしょうか。

デフォルトTDP 304WTDP 220W制限低下率
モンスターハンターワイルズ (高)91 FPS86 FPS5%
Cyberpunk 2077 (レイトレース中)100 FPS92 FPS8%
コンセント消費電力480W380W20%

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